今すぐ実践できる!おしゃれなECサイトの作り方を教えます
消費者からの需要が高まり続けているECサイトサービスは、ビジネスシーンを生き抜くために重要な戦略となっています。
昨今では個人・企業を問わずハイクオリティなECサイトが展開されているため、同じ土俵で戦うためにはまずサイト制作のノウハウを身につけることが重要です。
そこで、本稿では消費者の購買意欲をそそるおしゃれECサイトの作り方について、トレンドのデザインやコツを紹介します。
ECサイトのデザインのトレンド
ECサイトのデザインは消費者のニーズに応じてトレンドが変化しています。
例えば、3Dグラフィックやアニメーションを用いて華やかな演出を施しているECサイトは、他社との差別化を計りやすく消費者の興味関心を効果的に惹きつけます。
文字という具体性の高い要素を適切に配置する「タイポグラフィ」にこだわったデザインも多く見られるようになりました。
そんな中で、2023年12月時点で注目度が高いのは「スマホ対応デザイン」です。
スマホのデザインを軸にする
定期的にスマートフォンの利用実態を調査しているMMD研究所では、2018年のアンケート(2018年版スマートフォン利用者実態調査)で「ECサイトを利用する際に使用するデバイスは?」という質問を投げかけています。
回答を見てみると、全体の81.3%もの人がスマーフォンでECサイトを利用すると応えていたのです。
なお、パソコンでのECサイト利用は38.2%(第2位)という結果になり、一定数のユーザーが活用していることが分かりました。
経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」」からは、2015年に約2兆円だったスマホ経由の市場規模が2020年には3倍以上の約6兆円まで成長している結果が見て取れます。
この事実からECサイトのデザインはスマホ向けをベースにしつつ、パソコンユーザーへも配慮したハイブリッド型が望ましいと言えるでしょう。
スマホ向けデザインの大きな特徴は「縦型配置」という点です。通常、パソコン用モニターは横に長く見る形で利用されていますが、スマホはその逆で縦に持って使うのが基本となります。
ユーザーインターフェースや商品情報などは、縦向きに読みやすい・操作しやすいように設計することを心がけましょう。
商品画像やイラストを使用する際も、正方形や縦長のサイズ比で配置すると上手くまとまりやすいです。
また、スマホはパソコンのモニターに比べて面積が小さいため、一度に表示できる情報量が限られています。
画面内に情報を詰め込み過ぎると消費者が欲しい情報を探しにくくなるため、表示内容には優先順位を設けてスマートな画面を構築しましょう。
おしゃれなECサイトの5つのコツ
おしゃれECサイトの作り方にはいくつか押さえておきたいポイントが存在します。
ここからはそのコツを5つに絞って解説していくので、自社でECサイトを作成する際の参考にしてみてください。
ファーストビューには目を引く情報を
ECサイトを訪れる人の中には、目的の商品が明確な人もいれば何となく訪れてみたという人もいます。
特に後者の消費者を自社ECサイトに惹きつけるには、ファーストビューが重要とされているので覚えておきましょう。
ファーストビューとは日本語で言うところの「第一印象」です。
ECサイトに限らず、Webサイトを訪問したユーザーがそのページに留まるか否かは3秒で決まると言われています。
したがって、ECサイトにおいてもトップページで「おしゃれだ」「使いやすい」「ここで買い物をしたい」といった印象を持ってもらうことが重要なのです。
アクセスして最初に表示される画面には、インパクトの大きい情報を盛り込むようにしましょう。
自社の一押し商品に関するバナーなどを掲載するのも悪くはありませんが、セール・クーポン・キャンペーンなど消費者にとってお得な情報を持ってくると離脱防止に効果が期待できます。
また、ファーストビューに配置する情報やコンテンツはすべての消費者が目にしやすい要素です。
長期間同じものを配置し続けていると飽きられてしまうので、月ごとや季節の変わり目などで内容を更新するようにしましょう。
余白や行間を十分取る
おしゃれなECサイトのデザインは情報過多になりやすいですが、余白や行間を十分に確保して消費者が見やすいデザインを心がけてみてください。
商品説明やPR文は2~3行で改行して余白を設ける、商品画像同士を近づけ過ぎず余白を文章で埋めないといった意識を持ちましょう。
1つ1つのテキストや画像が独立して見えるようになれば消費者が情報を目に留めやすく、スマホでタップ・スクロールする際の操作性も向上します。
また、文字のフォントやサイズに関しても十分注意を払いましょう。
アピールしたい部分は太字で気持ち大きめ、平易な説明文などは細字で読み取りやすい範囲の小ささにするのが基本的な考え方です。
色の種類や配色にも気を付ける
色の種類や配色はデザインの仕上がりを大きく左右するだけでなく、消費者の目を疲れさせないためにも重要なポイントです。
ECサイトの色構成は「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3つに分けて考えると良いでしょう。
ベースカラーはサイトの土台・背景を担当する色であり、一般的には白・黒・薄めの有彩色などが使われます。
ページ全体の約70%程度がベースカラーになるようなイメージです。
メインカラーはECサイトのイメージカラーとなる色なので、自社の雰囲気にマッチした色を選びましょう。
赤・青・緑の三原色は主張が強くメインカラーにすると目が疲れやすくなるため、採用する場合は少し薄めに調整するのがおすすめです。
メインカラーは見出しや囲いといった目に付きやすいポイントに使用する色で、1色もしくは系統色でまとめるのがセオリーとされいます。
アクセントカラーはページ内で強調したい部分に用いるため、比較的目立ちやすい三原色やビビッドカラーを採用するケースが多いです。
基本的には1色、多くても2色までに留めて統一感を持たせることを意識してみてください。
魅力的なキャッチコピー
おしゃれなECサイトには良質なキャッチコピーがついていることも多いです。
インパクトが強く覚えやすいキャッチコピーは、ECサイトの存在やユーザー体験を消費者の記憶に残す効果が期待できます。
キャッチコピーはファーストビューやバナーといったサイト内の目立つ場所に配置するのが一般的です。
消費者の心を掴むキャッチコピーは「シンプル」「覚えやすい」「印象的」の三拍子が揃っています。
具体的にはまず、誰に向けたキャッチコピーなのかターゲットを明確にした上で、サービスが持つ強みを絡めて「消費者にどんな利益があるのか」を落とし込んでみましょう。
数字を盛り込んで具体性や説得力をつける、言葉のリズム感を意識して口ずさみやすくするといったアプローチも有効です。
商品画像の工夫
おしゃれECサイトではページ構成や配色に注力しがちですが、メインコンテンツである商品の魅力を消費者に伝えるには商品画像にこだわることも大切です。
商品画像を用意する際はまず、商品について「伝えたいこと」を明確にしましょう。
該当商品がどのような機能を持ち、どんな人におすすめなのかをまとめてみてください。
方向性が固まったら、掲載画像を「イメージ画像」と「ディティール画像」に分けて作成しましょう。
イメージ画像はその商品を実際に使用している様子を写したもので、消費者の購買意欲を刺激することが目的です。
ディティール画像は商品の上下左右や中身などの細部を見せるためのコンテンツで、消費者が安心して購入に踏み切るために重要となります。
撮影時には背景・明るさ・アングルなどに注意しましょう。
魅力的に見せるための演出も大切ですが、色味やサイズ感など実際の商品と大きく剥離しないよう心がけてください。
おしゃれ=売上UPではない!使いやすさにも注意しよう
せっかくおしゃれなデザインのECサイトを作っても、使い勝手が悪いと消費者は利用してくれません。
効率的に売上を伸ばすためには、以下の点についても配慮してECサイトを設計しましょう。
ナビゲーションメニュー
簡単に言うと、ナビゲーションメニューとはサイト内を移動するために設置されるリンクの集まりです。
トップページから各ページへ移動するためのグローバルナビゲーション、ページ内で細かいカテゴリーに移動するためのローカルナビゲーション、進んできたページの階層構造が一目で分かるパンくずナビゲーションなどが挙げられます。
ナビゲーションメニューは消費者が欲しい情報や商品にアクセスしやすくするために重要な役割を果たすので、ページ構造やカテゴリーを整理した上でしっかり構築しておきましょう。
商品レビュー
消費者が購入を迷っている際に後押しとなるのが商品レビューの存在です。
実際に商品を利用した人からの口コミは、購入を検討している消費者にとって貴重な情報源となります。
商品のデメリットや注意点を把握した上で商品を購入してもらえば、トラブルやクレーム予防にも効果的と言えるでしょう。
もちろん商品レビューが高評価であれば、説得力が増して購買意欲促進が期待できます。
関連商品の表示
消費者に目的の商品がある場合でも、関連商品をサジェストすることで「ついで買い」によって売上アップが期待できます。
特定の商品ではなく類似品の中から商品を選びたい人にとっても、関連商品の紹介は効率的な買い物に繋がると言えるでしょう。
消費者が閲覧・購入した商品の関連ジャンルから、商品レビューの評価が高いアイテムを表示するのが一般的です。
決済方法の充実
昨今では日常生活でのキャッシュレス化も進み、様々な決済方法が展開されるようになりました。
ECサイトを利用している人にとっても、自分が使い慣れている決済方法に対応しているかどうかは利便性に大きく影響するポイントです。
クレジットカード・QRコード・電子マネーなど、多様な決済方法を導入して幅広いユーザー層に対応しましょう。
もちろん、銀行振込・代引き・コンビニ決済といった従来の支払い方法も一定数の利用者が存在します。
参考にしたいおすすめECサイト3選
自社のECサイトをどのようにデザインするか具体的なイメージを描くには、実際のECサイトを参考にするのが近道です。
次に挙げる3つのECサイトは、デザイン性と利便性を両立させた優良サイトなのでチェックしてみてください。
ナイキ
スポーツ・ファッションのブランドとして有名なナイキのECサイトは、インパクトのあるファーストビューと使いやすいプルダウン式のナビゲーションメニューが特徴的です。
膨大なアイテムの中から任意の情報にアクセスしやすいだけでなく、季節モノや売れ筋アイテムは積極的にイメージ画像を表示して購買意欲を刺激しています。
森國酒造
香川県にある森國酒造ではシンプルなデザインと見やすいページ構成で、日本酒が持つ魅力を直感的にアピールすることに成功しています。
トップページのおすすめ商品紹介は自然の中で育まれた味わいを商品写真で見事に表現しており、どのような味わいが楽しめるかを端的に表したコメントも秀逸です。
書遊Online
老舗文具店の書遊が運営するECサイトは、書道用品の魅力をポップな印象で伝えるデザインが採用されています。
比較的サイト内の情報量が多いですが、消費者の行動導線や表示方法・場所に工夫が凝らされているためごちゃっとした印象はありません。
日本文化に触れたい海外ユーザー向けに多言語対応しているのもポイントです。
おしゃれECサイトはデザインだけでなく、使い勝手も考慮して効果的に売上を伸ばそう
おしゃれなECサイトは見栄えが良く消費者の興味関心を惹き付けるのに大きな効果が期待できます。
スマホに適した縦型デザインというトレンドを意識しつつ、ファーストビューやキャッチコピーにこだわって魅力的なECサイトに仕上げましょう。
また、ECサイトの売上はデザインだけでなく実用性を兼ね備えることで効率的に伸ばせます。
ナビゲーションメニューや決済方法など、消費者目線に立ったサイト構築を心がけてください。