【ECの掟#8】ディレクタ増田大暴れ!ファッションECを語る!
ユニクロの圧倒的な強さ
まずは第1位からお伝えしましょう。
2023年のファッションEC売上ランキングでトップに輝いたのは、やはり「ユニクロ」でした。
ユニクロは、親会社のファーストリテイリングの中でも特に強力なブランドであり、その売上は1338億円に達しました。
〈ユニクロの戦略〉
ユニクロがこれほどの売上を達成した背景には、いくつかの戦略があります。
まず、ユニクロは全世代に対応した商品を提供しています。
例えば、テニスウェアではロジャー・フェデラー選手や西岡良仁選手が着用したことで、その機能性とデザイン性が高く評価されています。
さらに、ユニクロはオンラインとオフラインの融合を図り、OMO(Online Merges with Offline)戦略を積極的に展開しています。
アダストリアの健闘
続いて第2位にランクインしたのは「アダストリア」です。
アダストリアは626億円の売上を記録しました。
アダストリアは、多くのファッションブランドを展開しているSPA(製造小売業)であり、ドットエスティなどのブランドで知られています。
〈アダストリアの取り組み〉
アダストリアの強みは、多様なブランドを持ちながらも、各ブランドがそれぞれのターゲットに合った商品を提供している点です。
また、アダストリアもユニクロ同様にOMO戦略を推進しており、オンラインとオフラインの垣根を越えたショッピング体験を提供しています。
QVCジャパンの躍進
第3位にランクインしたのは「QVCジャパン」で、売上は530億円です。
QVCジャパンはアメリカのテレビ通販企業QVCの日本法人であり、テレビ通販とオンライン販売を融合させたユニークなビジネスモデルを展開しています。
〈QVCジャパンの特徴〉
QVCジャパンは、テレビ通販という強力な販売チャネルを持ちながら、オンライン販売にも力を入れています。
テレビでのプレゼンテーションとオンラインでの詳細な商品情報を組み合わせることで、消費者に対して一貫した購買体験を提供しています。
ベイクルーズの成長
第4位にランクインしたのは「ベイクルーズ」で、売上は500億円です。
ベイクルーズは、ジャーナルスタンダードやエディフィスなど、多くの人気ブランドを展開しています。
〈ベイクルーズの戦略〉
ベイクルーズの強みは、幅広いファッションブランドを一つのプラットフォームで提供している点です。
また、オンラインショップでは、最新のトレンド情報やスタイリング提案を積極的に発信しており、消費者とのエンゲージメントを高めています。
ジュピターショップチャンネルの躍進
第5位にランクインしたのは「ジュピターショップチャンネル」で、売上は466億円です。
ジュピターショップチャンネルは、テレビ通販を主な販売チャネルとしており、中高年層をターゲットにした商品展開が特徴です。
〈ジュピターショップチャンネルの特徴〉
ジュピターショップチャンネルは、住友商事とKDDIが共同出資しており、インターネットとテレビの両方で商品を販売しています。
特に、テレビ通販では商品の魅力を視覚的に伝えることができるため、消費者に対して強い訴求力があります。
スポーツブランドの台頭
ランキング全体を見渡すと、デサントやミズノといったスポーツブランドがランクインしている点も興味深いです。
これらのブランドは、スポーツウェアや機能性ウェアの需要が高まっていることを背景に、売上を伸ばしています。
〈デサントの戦略〉
デサントは、サッカー、野球、ゴルフなど、さまざまなスポーツに対応した商品を展開しています。
また、一般的なファッションアイテムとしても人気があり、多様な消費者層に支持されています。
コロナ後のEC市場の変化
2023年のランキングを振り返ると、コロナ後のEC市場の変化が見て取れます。
多くの企業がオンライン販売に注力し、売上を伸ばしている一方で、実店舗を持つ企業も強さを発揮しています。
〈オンラインとオフラインの融合〉
特にユニクロやアダストリアは、オンラインとオフラインを融合させたOMO戦略を強化しています。
消費者はオンラインで商品を選び、実店舗で試着・購入するという流れが一般化しており、このような戦略が功を奏しているのです。
まとめ
今回のランキングを通じて、ファッションEC市場の動向を詳しく見てきました。
ユニクロの圧倒的な強さや、アダストリア、QVCジャパン、ベイクルーズ、ジュピターショップチャンネルといった企業の健闘が際立ちました。
また、スポーツブランドの台頭や、コロナ後の市場の変化にも注目が集まります。
これからもファッションEC市場は進化を続けていくことでしょう。
各企業の戦略や取り組みを参考にしながら、自社のECビジネスをどう成長させていくかを考えてみてください。